怯える君の目を心に刻みながら君の胸に刃を向ける。
安心して、君の事は忘れない。だから君の鮮血を見せておくれ。傷口から覗く鮮やかな色をした筋肉を見せておくれ。刃と肋骨が互いを削り合う音を聞かせておくれ。痛みに苦しむ君の悲鳴を聞かせておくれ。そう、もっと、もっとだよ。まだ僕の手は紅に染まっていない。まだ足りないよ。もう一度刺してあげる。大丈夫、まだ君の心臓は動いてる。ほら、脈に合わせて血が吹き出てる。だからもう一度。そう、もっと聞かせて、君の悲鳴を。生という選択肢が存在しない君の叫びを。辛いでしょ?だから僕が殺してあげる。その代わり僕に快楽を味合わせておくれ。存在する価値が微塵も無い君が最期に僕を喜ばせ、役に立つ。光栄な事だろう?さあ、もっと楽しませておくれ。
生暖かい液体で手も体も心も真紅に染まる。真紅の心の奥底からこみ上げる言葉に出来ない喜び。紅に侵される五感。自分が生きているのか、死んでいるのかさえ気にならなくなる。最後に残るのは真紅の部屋に動かない体が一つ。
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